開発ドキュメント体系と業務フロー
今回は、もうひとつの課題「生産性の向上」に対する取り組みのひとつである業務システムの開発ドキュメント標準「DUNGEON(ダンジョン)」について紹介していきます。
これは、システム開発における「ドキュメントの標準化」を目的とするものです。担当者ごとに異なる”自己流”のドキュメントではなく、各人のノウハウを結集したベストのドキュメントフォームを策定しました。「PYRAMID」と同じく、「DUNGEON」も組織全体で管理し、各プロジェクトでこれを活用しながらバージョンアップを行っています。
PYRAMIDもDUNGEONも、”実践的”なものを目指しており、即活用できるようなテンプレートを用意しています。PYRAMIDではプロジェクト管理、DUNGEONでは開発資料に関するドキュメントを定めています。図1は、プロジェクトサイクルにおけるPYRAMIDとDUNGEONのドキュメント範囲を表したものです。
DUNGEONでターゲットとしているのは、主に業務系システムの開発です。これにはWebのポータルサイトやe-Learningなども含まれますが、ゲームソフトや組み込み系ソフトウェアなどは想定していません。C/SやWebなどのシステム開発において、最適なドキュメントはどういうものかというテーマを主体として体系化しています。
業務系システムの開発フェーズは、「要求分析 → 基本設計 → 詳細設計 → プログラミング → 単体テスト → 結合テスト → 総合テスト」という順に工程が進んでカットオーバーを迎えます。DUNGEONでは、各々のフェーズにおいて作成するドキュメントを表1のように定めています。
全体/個別
表1の「範囲」欄には、ドキュメントが全体か個別かを記しています。これは、ドキュメントファイルがシステム全体で1ファイルとなるか、プログラム個別にファイル分割されるかを表したものです。
例えば、業務フローやシステム構成図はシステム全体に対して1ファイル(枚数は複数枚となりますが)作成されるので”全体”、基本設計書や詳細設計書はプログラム単位(例えば受注入力など)で個別ファイルとなるので”個別”ということになります。